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言葉が立ち上がるまえに(小林一毅)
¥6,600
『大切なのは目が捉えた瞬間に迫ること。 対象物に言葉が追いつく寸前、この瞬間が唯一、 子どもと石との関係性に近いのではないか。』 グラフィックデザイナー・小林一毅、初の作品集。 作品の繊細な息遣いを感じることのできる(ほぼ)原寸で、完全掲載。 日々、私達が無意識のうちに見ている無数の「形」たちを良い/悪い、好き/嫌いと判断する「言葉が立ち上がるまえ」には、体の中で一体何が起きているのか…? 小林が子どもとの時間を過ごす中で感じた、 『自分が感じる“良い石”と、子どもの感じる“良い石”の違いとはなんだろう?』 という問いからはじまった、全591枚におよぶ“言葉が立ち上がるまえ”の「形」たち。 小林はポストカードサイズの紙に、生活の中で見つけた様々な形を自らの手で描き出していくことで、 グラフィックデザイナーとして「形」と向き合う自身の潜在的な、形の嗜好性に向き合い追究していった。 解説テキストも無くひたすらに作品=形が続き、収められた莫大な量の一見単純な形からは、その単純さゆえに形の根本に近づいていく体験を得られるような、まさに本がまるごと「立ち上がるまえ」となっている一冊。 * 言葉が立ち上がる前に 小林一毅 ふとした時に、自分の意思とは別に目が独りでに拾ってくるものがある。 「あっ」と声をあげ、忍ばせた紙切れとペンを急いで取り出す。 その場で簡単に描いたメモを頼りに家に帰ったら線を引く。 うまく言葉にできないものだから「なんか…」「こんな…」と呟きながら、 すでに消えつつある光景に触れるようにして形として立ち上げる。 目は何を求めていたのか、描くことで言葉に近づけると思って描き始めたが、 ある時、言葉に立ち上がることを拒まれている気がして描くのをやめた。 形だけがここに積み上がっている。
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小さなウィンドウで見る(小林一毅)
¥3,960
子どもが幼稚園に通い始め、少しずつ「私の時間」をとり戻していくのを 実感していた小林は、ある日、図書館でアンパンマンの紙芝居を見つけます。 絵と文字が同居しない紙芝居は、絵本よりも絵に集中できて想像力が膨らむ...そんな感動を味わっていると、ふと、紙芝居を構成する世界の全てが 「等幅の線」で描かれていることに気が付きます。 今見えている世界を等幅の線で描いたら、どんな形が見えてくるのか? ― 子どもが落ち葉拾いに夢中になっている隣で、小林は「線」の採集生活を 始めます。 『 同じ空間に個別に存在しているもの同士が、 僕の目線の先では関係している (中略)...これは僕がそこにいて、特定のものの見方で、 特定の方法で 描いたから現れた形だ。そういう実感が伴うことが嬉しかった。』( あ と が き よ り ) 3ヶ月にわたり453枚に及ぶポストカードサイズの作品が描かれ、 本書にはその全てが掲載されています。いつのまにか子どもの落ち葉拾いブームは去って、今は虫取りに夢中になり、 小林自身もまた、この作品シリーズから手が離れます。 『 もういいかなと思ったところで描き終えた。(中略) ...特に理由を持たずに 自然と終わっていくことを許すこともまた子どもが教えてくれたことだ 。』 ( あ と が き よ り ) 子どものように夢中になって探し、集め、持ち帰り、大切にしまう...。 時間が経てば忘れてしまう「遊び」も、いつかふたたびその箱を覗けば、 夢中になっていたときの瞬間的な喜びがまだそこに息づいていて、それは“ 誰か/わたしたち ” の目をも楽しませてくれる。そんな一冊になっています。 ページ数:496 装丁:明津設計 小林 一毅(著) グラフィックデザイナー。女子美術大学、多摩美術大学非常勤講師。
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『工芸史』一号(工芸史研究会)
¥3,080
若手の研究者を中心に発足された、研究者や実作者、工芸に携わるすべての人が 総合的な研究発展を目指す「工芸史研究会」による、初の機関誌『工芸史』を発刊。 二〇二一年三月に設立した工芸史研究会では、陶磁、漆工、染織、金工、木工、ガラスなど、さまざまな素材の工芸品を扱う学芸員、研究者、作家が意見交換を行っています。これまでの工芸に関わる史的研究は、主に素材によって分かれ深められた領域を軸として進められてきました。しかし文化財・作品としての保存・研究・展示、また技術の継承、原料の生産……現代の工芸は、素材を問わず多くの共通の課題に直面しています。当会は、これらの問題について共に話し、各領域における研究動向や手法を共有し、会員の研究を発展させるための恒常的な場を求め、主に若手の有志を募り発足しました。創立より三年を記念し、これまで実施した研究会や講演会のアーカイブのため、そして柔軟性の高い発表・議論の場をさらに整えるべく、本誌を発刊することとなりました。 工芸は地域、時代を問わず、人の手により生み出され親しまれてきました。人々のライフスタイルが変容し、工芸と人の関係もまた少しずつ変化しています。当会は工芸をとりまく文化を後世に伝えるため、情報交換および研究の場となり、交流の基盤を築くことを目指しています。『工芸史』が、その推進力になることを祈念致します。 ◯目次 研究会憲章 活動記録 ●会員作品 畑中咲輝 (陶芸) ●第一部 これからの「工芸」 ――「工芸」・「工芸史」という茫洋と捉えにくい領域を考える指針として、寄稿論考を収録。東京藝術大学の佐藤道信氏は、明治時代における「工芸」概念の成立とその後辿った展開と工芸の未来、そして水本和美氏は、前近代の工芸に関し、出土品/伝世品の探究という表裏の存在である考古学と工芸史の協働の可能性について述べた必読の二編となる。 佐藤道信 「近現代における「工芸」の展開」 水本和美 「考古学と美術工芸史研究」 ●第二部 ――各分野を専門とする会員の論考(研究ノート・調査報告・研究動向紹介)を掲載。 神野有紗 「澤部清五郎原画《春郊鷹狩》《秋庭観楓》の制作に関する一考察―浅井忠原画《狩の図》制作過程との比較をめぐって―」 高家融 「清朝工芸における「丸文」の受容と展開―天啓赤絵と清朝宮廷コレクションを視座として―」 巖由季子 「〈調査報告〉江戸時代中後期における陶磁器補修の事例」 廣谷妃夏 「〈研究史〉中国「経錦」研究の百年」 ●付録:「工芸」関連展覧会年表(関東編、2008~2023) 寄稿者情報: 佐藤道信(SATOU Doushin)2024年2月現在、東京藝術大学美術学部教授。主著に『〈日本美術〉誕生-近代日本の「ことば」と戦略』(講談社、1996)など 水本和美(MIZUMOTO Kazumi)2024年2月現在、東京藝術大学大学院美術研究科保存科学研究室講師。主著に『17世紀の肥前色絵磁器の意匠と技術の躍進事情』(科学研究費助成金成果報告、2018)など 工芸史研究会 http://www.s-f-historyofcrafts.com
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『工芸史』二号(工芸史研究会)
¥3,080
若手の研究者を中心に発足された、研究者や実作者、工芸に携わる すべての人が総合的な研究発展を目指す「工芸史研究会」による『工芸史』。 2号目となる本書は、文化圏を超え繁茂した唐草文様の変容、遊牧民の生活と織り、近現代の工芸運動、 そしていままさに生み出されている漆表現― 工芸の「 動 」を示す、文様史、染織史、陶芸史の論考 及び漆芸作品を紹介する内容となっています。 ・『工芸史』創刊のあいさつ ●会員作品 ・金保洋 ●論考 …各分野を専門とする会員の論考および活動報告を掲載 ・岡登志雄 「〈研究ノート〉唐草文様史(一)―唐草文様の伝播と現地化をめぐる議論と課題―」 ・沼沢ゆかり 「〈展示報告〉特集「遊牧のくらしとテキスタイル―バローチを中心に―の開催まで」 ・橋詰果歩 「〈研究ノート〉クラフト運動について―陶芸との関連を中心に―」 ●付録 …創刊号掲載の「関東編」につづき、地域別の工芸の展覧会動向を一覧する年表を掲載 ・「工芸」関連展覧会年表(北陸・甲信越編)―工芸に関わる展覧会記録 ・研究会憲章 ・活動記録(令和3年度~令和6年度)
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四月(あのねはるお)
¥2,530
“細く震えるようなボールペンの線は優しくそしてちょっぴり寂しく、だけどいつまでも側にいてくれるような詩を歌う” 詩を紡ぐように描く。絵描き・あのねはるお(haruo anone)、初めての絵と詩の作品集。 2000年生まれのあのねはるおは、高校生の頃に病を患い、病室で過ごすうちに絵を描くようになりました。愛、学校、出会い、ひとり。純粋で素朴な願いと祈りが、ささやかな紙片の一葉一葉にこめられ、描くことと生きることの美しさ、楽しさ、優しさ、そして寂しさを日常の中で描きづつけています。 本書は、はじまりの予感からはじまる、季節の中で変わってゆく生活のそばにある、小さな日常に語りかける絵と詩の本です。 描くことと、純粋な言葉と線の音色が太陽に映えて、あなたのこころに届きますように。 ページ数:160 判型:文庫判 装丁:根本匠 あのね はるお(著・画) 2000年生まれ。高校在学時、病を患い病室で過ごすうちに絵を描くようになる。退院後、19年にanone coeurqy、22年4月からあのねはるお・haruo anoneを名乗る。たのしくさびしくやさしい純粋なドローイングを描き、詩や、小さな粘土作品なども作っている。こころと絵。
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ヴィオラ音階ノート(監修:今井信子)
¥2,420
世界的ヴィオリスト今井信子監修のもと、フィンガリングを自ら書き入れ学習していくこれまでにないスケール教本! 今井先生が今も日々の練習に使用している音階が掲載されています。 指導教師によっても音階の運指は様々。色を変えて書き込んだり、余白に注意事項や落書きなどをして、是非あなた自身の楽しい「音階教本」を完成させてください。 【「ヴィオラ音階ノート」の特徴とこだわり】 特徴1:運指を書き込みやすい紙質 特徴2:譜面台上で開きやすいコデックス装 特徴3:ノートの角が丸まってしまわないように、はじめから角丸 特徴4:ヴィオラケースの内側にしまって持ち歩ける大きさ 【音階ノートの内容】 1.Two octaves ☆...注意深く主音を聴き取れるリズムを採用しました 2 オクターブ音階とアルペジオ ☆...24 調を把握しやすいように4 ページにまとめてあります 2.Three octaves 3 オクターブ音階とアルペジオ ☆...24 調を把握しやすいように 4 ページにまとめてあります 3.Double stops 重音音階はハーモニーの感覚を勉強しやすいよう、同調で 3、4、6、8 度をひとまとめにしています ☆...4度は今井先生のご要望で特別に取り入れた音階です 4.Complete system (almost) ハ長調 / ハ短調から半音づつ上がり指と耳の訓練を進める音階 ☆...今井先生が常に練習している音階です --- 指導教師によっても音階の運指は様々。色を変えて書き込んだり、余白に注意事項や落書きなどをして、是非あなた自身の楽しい「音階教本」を完成させてください。 ページ数:44 判型:A4判変形 装丁:明津設計 今井 信子(監修) 現代屈指のヴィオラ奏者として高い信頼と圧倒的な人気を誇る。ソリスト、室内楽奏者、教育者として国際的に活躍、ヴィオラ界をリードする存在として〈ヴィオラスペース〉、「インターナショナル・ヒンデミット・ヴィオラ・フェスティバル」の企画、演奏、東京国際ヴィオラコンクールの設立等に携わる。現在アムステルダム音楽院、クロンベルク・アカデミー、ソフィア王妃高等音楽院にて後進の指導を行っている。 富澤 直子(著) 台湾高雄市在住 ヴィオリスト。 国立中山大学、高雄市空中大学講師。ラベンダー室内楽団団長。 「Viola Space in Taiwan」を主催。 今井信子著(訳:林暉鈞)中国語版「憧れ」を発行。 「Café Viola」の企画演出、各地を旅す。
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山も時なり 海も時なり −道元『正法眼蔵』17の哲学的風景−(齋藤嘉文)
¥2,200
山も時なり 海も時なり 道 元 『 正 法 眼 蔵 』 か ら 17 の 哲 学 的 風 景 齋藤嘉文 道元の主著『正法眼蔵』は、今なお未踏峰として雲海の彼方に聳えています。 鎌倉時代に書かれ、長い秘蔵の時代を経て 江戸時代末に公刊され、20世紀に入って和辻哲郎ら近代哲学者が 注目することによって広く一般の人々にもその存在が知られるようになりました。 ◉ しかし日本中世最高の知性によって書かれたその書物は容易に人を近づけることなく、 ただ行間に湛えられた深さと美しさのオーラが立ちこめるばかりです。 この半世紀、国内だけでなく海外からも多くの学者が加わって研究が進められていますが、 山頂への道はまだ見えていません。 ◉ 著者は、その原因は大域的戦略の不在にあると見ました。 近代人文学の培った細部の分析力だけでは到達しえない高度に頂上はあるはずです。 そこで一旦、登山道から外れ、軽飛行機を操縦して道元連峰の上空を飛び、 17ヶ所のポイントを撮影してきたのが本書です。 ◉ 仏教専用のレンズはあえて使用を抑え、 逆に一見仏教とはかけ離れた分野のツールを積極的に用いた結果、 いかにも禅宗風のストイックな風景に替って、限りなく広い大空と大地と、月光を映して輝く一滴の露とが、同時に見えるでしょう。 判型:四六判(B6判)変形/ 並製本 / 164頁 / 別冊(引用俯瞰図)32頁付き / スリーブケース入り 定価:2000円(税別)
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